【はじめに】働き方改革の潮流
働き方改革関連法も施行され、県内でも様々な取り組みが始動し実践認定企業は277社に
グローバル化やテクノロジーの進化により欧米を中心とした世界の働き方は時間・場所・休暇の取り方が個人の事情に合わせた柔軟な働き方へと大きく変わりつつあります。
2019年4月には「働き方改革関連法」が施行。日本人の働き方が大きく見直されることとなり、企業も法令対応を含め様々な変革に取り組んでいます。
私たちの住むここ広島県でも「ひろしま未来チャレンジビジョン」を掲げ、
- 取組実態調査
- モデル優良企業の創出
- 経営層への働きかけや勉強会
- コンサルタント派遣
など様々な取り組みが始動し成果も生み出されつつあり、地元経済団体による全国初の「働き方改革実践認定企業」制度も創設され現在277社の企業が認定されています。
(令和2年2月現在)
【問題提起】働き方改革の実情
①従業員主体のボトムアップ活動が結実せず、生産性向上に繋がらない根本要因は?
広島県では、認定取得企業も増加しつつありますが、認定取得そのものをゴールと捉え、本質的な改革に着手できていない企業も散見されます。
また、働き方改革そのものが目的化され、ブームやファッションと化し、目的が明確化されていないフリーアドレスやテレワークの導入、またそれが実行しにくい企業は改革から取り残されていき企業間格差はますます広がると懸念されます。残念ながら現在の改革は多くの場合、従業員が主体になっていない、企業による「働かせ方改革」のみになっているため、企業の業績向上や従業員の満足度アップには繋がりにくいのが実情と言えます。
②働き方改革実践認定取得企業の取組継続支援
広島県働き方改革実践企業認定の申請は令和2年度で終了となりますが、認定を取得された約300社(当初目標)は、引き続き「認定マークやPRグッズの使用」が可能で、「Hint!ひろしま」などの公式サイトで「優良モデル」として今後も発信され続けます。
そのため、認定企業の働き方改革の取組が一過性のものではなく継続され、更に成果を高めていくことが「優良モデル企業」に求められます。また、生産性の向上やイノベーション、自然災害や感染症などのリスクマネジメントといった取組みも必要となっており、今後の取組支援を求める声が上がっています。
取組みの継続と更なるステップUPが必要
【趣旨1】個人に焦点を充てた働き方改革
個が自立し「考え」「見直し」「行動する」パワーアップが働き方改革の原動力
現在多くの働く人々は非常に厳しい立場に置かれています。労働法は労働者を守る法律ですが、個々人は法や制度を正しく理解し活用しているでしょうか? 従業員同士が連携し高めあうネットワークは機能しているでしょうか? 組織による「働かせ方改革」を個人による「働き方改革」へと転換するためには個人の意識改革が必要です。そして、意識を変えるためには以下のような支援による個人の自立、主体性発揮、パワーアップが重要であると私たちは考えます。
- 個人が制度や法律、就業規則を正しく理解し活用するためのリーガルリテラシー教育
- 段階に応じた内的キャリア開発と個人が小さなプロフェッショナルになる為の能力開発
- 個人と個人、個人と組織、組織と組織を繋ぐ安全・安心な場の提供、ネットワーク構築
- 個を起点としたボトムアップ型の組織改革
当社団法人では人生100年時代を逞しく生き抜くための処方箋を準備し、個人の‟ハッピーキャリア※“実現を応援します。
※ハッピーキャリア:キャリアは生涯を通じて変化し発達していくもの。自分らしい生き方・働き方 が周囲も幸せにしていく、豊かで充実した人生の軌跡。
従業員の意識改革や能力開発、ネットワーク構築のための支援を当社団法人が主導
【趣旨2】働き方改革による経営改革の実現へ
人材不足解消、収益改善、事業継続、従業員の満足度向上など本質的な改革実行に向けて
企業による働き方改革が生産性の向上や従業員の満足度アップに繋がらないのは何故でしょうか?
当社団法人では、働き方改革は人事改革であり、経営改革であると捉え、「働き方」という企業活動の土台部分(業務プロセス・生産力)を改善することで、企業が様々な経営メリットを実現できるよう以下の支援を行います。
- 働き方改革に特化した調査分析(企業が現在地を知り、課題を発見するための支援)
- 働き方改革に着手し実践するためのキックオフセミナー(目的や実践方法の理解)
- 「広島県働き方改革実践企業認定」取得に向けた課題チェックと認定・更新支援
- 業務効率化や生産性向上や更なる従業員の満足度アップを目標とする本質的な改革支援
当社団法人では「認定取得」からより高いレベル(生産性向上など)の成果を上げた企業を表彰し応援※します。
※優良モデル企業として広く紹介・周知することを検討中。(審査委員は働き方改革の研究者や有識者で構成)
人材採用、マネジメント強化、本質的な業務改善等、経営改革に必要な「土台」づくりを支援
【趣旨3】働き方改革社内推進者とコンサルタントの養成
県内企業の働き方改革の裾野を広げ、深化させるためには「実践支援者」の育成が必要
若手社員、中核社員、管理者、アルバイト・パート、中途転職者、Uターン人材、シニア人材など、多様な個人に焦点を充てた働き方改革を幅広く展開し、改革を業績向上と従業員の満足度向上に繋がるよう企業の経営ビジョン実現をサポートするためには、質・量共に充実した推進体制が必要となります。
当社団法人では、本質的な働き方改革に取り組むために、自社に適した働き方改革を自立的に推進できる「社内推進者」と、様々な事例や実践ノウハウに精通し、外部の視点から課題を掘り下げることのできる「社外コンサルタント」の養成が急務と考え、定期的に「働き方改革推進者・コンサルタント養成講座」を実施します。
当社団法人は、人の内的成長を支援する「キャリアコンサルタント」や制度設計のプロである「社会保険労務士」、中小企業の経営をサポートする「中小企業診断士」をはじめ働き方改革専門コンサルタントの実践ノウハウ、第一線の研究者の知見、行政などの支援実践事例などのリソースを結集し、実力重視の実践指導者を養成し、より多くの支援者と協同し変革に取り組む体制を整えます。
- 専門講座と課題提出、実践指導の総合的なカリキュラムによる養成トレーニングを実施
- 学識者などの審査会により習熟レベルを確認し当社団法人が推進・コンサルタント認定
働き方改革を経営改革へと導くために「実践指導」できる企業内推進者やコンサルタントを養成
【あるべき姿】当社団法人のミッション・ビジョン・バリュー
個人・組織から地域の発展へ
個人に焦点を充てた働き方改革の推進は、従業員の意識を変え、自立した個人がプロフェッショナル人材へと生まれ変わることで、企業のミッション・ビジョン実現に向けた従業員による自主的、自立的な業務改善、貢献が始まります。
単に制度や施策を導入するだけでなく、従業員の “ハッピーキャリア”と企業理念を同時に実現する真の働き方改革の仕組みは、事業のイノベーションを生み、組織の生産性を飛躍させるでしょう。そして、自立した地域人材の育成と働きやすさと働きがいを兼ね備えた働き方改革認定企業や他の企業のモデルとなる優良企業の増加は、地域に活力を生み、「ここに住み、働きたい」と思える地域社会実現を後押しするはずです。
これからの社会は、ものやシステムだけでなく時間や働く場所、能力や人材も一つの企業が独占的に占有するのではなく、企業や組織、個人でシェアすることで新しい価値を生み出す時代の到来が予想され、その旗振り役を「当社団法人」が担います。
- エンパワーメント(人の成長と可能性)
- 働き方改革弱者への目配り(置き去りとなる個人や組織を作らない)
- 平和都市広島発の働き方改革発信(Work in Peace:安寧に働く)
すべての個人が尊重され、一人ひとりが輝いて働き、暮らせる社会を実現する
【メッセージ】広島から発信する真の働き方改革
ディーセント・ワーク(Decent Work)
国際労働機関の理念と照らし合わせ活動に取り組みます
1999年にILO(国際労働機関)が活動理念として提唱した考え方で「適度な勤労」という意味の英語で、働きがいのある人間らしい仕事と訳されています。
当社団法人もこの活動理念を踏まえ行動します。
広島から発信する真の働き方改革
「広島」で誇りある地域を創り、この活動が全国各地へ広がることを希望します
平和都市広島。平和でなければ安全・安心に働くことはできません。今も世界各地で内戦やテロ、武力衝突が繰り返されていますが、この地広島も72年前は焦土と化し、世界平和を願う広島の象徴としての原爆ドームは、今も当時の惨状を生々しく伝えています。
海と山に囲まれた自然豊かな広島県。自然環境と利便性を併せ持った都市機能。さらに広島カープ、サンフレッチェ広島、広島交響楽団の地元3大プロが織りなすスポーツ、芸術、文化活動。地元に根を張って働く「地域人材」を育成・支援し、故郷広島を「ここに住み、働きたいと思える」街にしたいと願い、私たちは「一般社団法人 働き方改革実現ネットワーク広島」を設立いたします。
平和の鐘を鳴らし、Work in Peaceの祈りが広島から全国、全世界へと広がっていくように